top of page

Vol.11 「選挙管理委員会」

一人一人が塾生の意識を





2019年1月9日、三田部室にて、選挙管理委員会 委員長の川原悠希さん(以下敬称略)にインタビューをさせていただきました。


―――概要と構成を教えてください。


選挙管理委員会は、塾生代表選挙が円滑かつ公正に行われることが一番の目的です。

上部団体から選ばれた8人のメンバーで構成されています。


―――今年度の塾生代表選挙が1月に延期になったいきさつを教えてください。


延期をするつもりはなかったのですが、諸事情があり前の選挙管理委員会の方々がガバナンスの理由や予算の問題を提示され、選挙の早期実施は不可と決定したために延期となりました。11月30日に行われた全塾協議会定例会で話し合った結果、現状を問題視し、改善することにしました。

仮に4~5月に延期したとしても、今度失敗したら次はもうないというリスクがあります。早期に行う策を策定するなかで、当時の選挙管理委員会の方々が辞任の意思を示したため、選挙管理委員会を12月4日に新しく発足しました。

しかし、12月中は手続きの関係で実施は不可能だったので、1月に実施することにしました。


―――今年はWeb投票になりました。その実施に至ったいきさつを教えてください。


正直なところ、個人的には電子投票が100%良い投票方法であるとは考えていません。しかし前の選挙管理委員会がほぼ電子投票ができる段階までに準備を整えていたため、それを引き継いで今年はWeb投票にしました。

電子投票以外の方法でもかなりの準備が必要で、それ相応の人員が求められます。その部分で、(延期となった選挙での紙利用は)難しいと判断しました。選挙を実施するという事を前提とした場合、今回は電子投票のほうが確実だと考えました。


―――考えられる問題はありますか。


特定の候補者に票を入れることを強制する行為は、Webにしたからといって防げるものではないと思っています。その対策として、あとで投票先を変えられるようにしました。

しかし、紙投票と電子投票のどちらがいいかというのは、個人個人の価値観によって変わってしまいます。結局、投票先を変えることができるとしても、強制されたという事実は変わらないので、議論の余地があると思います。


―――紙投票とWeb投票の並行は難しいですか。


できなくはないと思いますが、時間や人員の問題上、手間も倍になってしまうため今回は電子投票に振り切りました。今までの紙投票では学籍番号で認証を取っていたのですが、今年の電子投票ではkeio.jpのアカウントで認証を取るシステムなので、システムとしては完全に別物です。電子投票と紙投票を並行させることが可能かどうかの技術的な問題は、実際に行っていないのでわからないです。


―――SFCではkeio.jpが浸透していないようですが、その点はどのように対処しましたか。


SFCでも他の学部と同じようにkeio.jpから投票ができるようにしました。大学からの主な重要事項はkeio.jpを通じて配信されているので、それを利用するしかないと判断しました。SFCは普段keio.jp以外の独自のシステムを使っていますが、時間的な問題もあり今回の選挙期間までに準備するというのは難しいと判断したので、どの学部にも共通して使われているkeio.jpを利用することにしました。


―――以後、SFCのシステムに合わせたものを作ることは考えられますか。


難しいと思います。

現行のシステムは、それを作った前の選挙管理委員長しか知らないので、変更を加えることが厳しいと思います。


―――Web投票に関しては、低い投票率を改善する手立てになりうると考えられるのですが、どのように捉えていますか。


あまり投票率を改善する手立てとは考えていません。

Web投票にしても、その存在を知らなければ投票はできないし、意思がなければ投票もしないと思います。Webにしたから投票率を上げられる、ということよりも、投票がいかに重要か、その存在自体を認知して投票をしてもらうことがまず重要であると考えます。


―――低い投票率を改善するため、他団体との協力はありましたか。


今年は嫌がらせのように結構やっていました(笑)。

全塾傘下の団体はもちろんですが、今年は独立団体や未公認団体の方々にもより塾生代表選挙の存在を知ってもらおうと考えました。


文化団体連盟さんと協力して、学生ルームの扉に選挙ビラを貼ったことは今年で初めての取り組みです。日吉の塾生会館の一階にも貼っています。学生が見るところに重点的にビラを貼っていく取り組みは、例年と異なる点です。


また、オリエンテーション実行委員会さんにお願いして、12月22日にあったオリエンテーション総会の場で宣伝をさせていただきました。さらに、オリエンテーション実行委員会さんのメーリングリストを通じて選挙の宣伝を行ったり、全塾ゼミナール委員会さんにお願いして、委員会さんからゼミのほうへ情報を流してもらい、さらにゼミ員に伝えてもらったりしました。


様々な他団体さんにご協力していただき、とにかく多くの人たちに選挙の存在を知ってもらおうということに力を入れています。


―――塾生に向けて一言お願いします。


塾生代表選挙の認知度の低さについて、塾生代表の存在自体や役割が知れ渡っていないからという理由があります。

毎年一人750円ずつ徴収されている以上、やはり私たちの方から情報を提供する必要性もありますが、自分たちからも代表や団体の情報にアクセスしてほしいです。塾生自身に慶應生の一人として興味を持ってもらいたいな、と思います。


―――全塾協議会の印象と課題をお聞かせください。


まずは知名度の低さだと思います。

「塾生のために」という文言でお金の使い方を考えてはいますが、その塾生は何人の塾生なのか、どれくらいの人たちがその存在を知っているのか、というのは大きな問題だと思います。

昔の自治会制度が崩壊し暫定的に存在しているのが全塾協議会と言われているため、そもそも全塾協議会には正当性はないという考え方もあります。全塾協議会の在り方に正当性を出すために塾生代表をたてたものの、10%しか投票率がありません。

その知名度の低さの問題には、まずこちらからのアクションが足りていないという事に加え、時代の流れも影響していると思います。塾生のやりたいことが多様化しているこの時代に、全塾協議会でその多様性を抱えきれなくなってしまったのだと思います。そのなかで私たちは、直接的に関係ない塾生たちにどのように福利厚生の側面から関わっていけるのかを考えなければいけません。


もう一つは、全塾協議会が塾生への働きかけを義務感からしているというよりは、やらざるを得ないからしているという部分があるところです。そういった曖昧な部分を整理する必要があると思います。

議会が存在する意味を知ってもらうと、全塾協議会に賛同してもらえる方が現れるのかなと思います。「生徒会」らしいところがあると煙たがられてしまうので、そうではない部分を広めていくといいと思います。


―――ありがとうございました。

bottom of page