【全協全書】四谷祭実行委員会インタビュー
- 全塾協議会 中央機関
- 9月30日
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10月4日から5日にかけ、慶應義塾大学信濃町キャンパスにおいて、第47回四谷祭が開催されます。今回は四谷祭の企画・運営を行う所属団体である四谷祭実行委員会の実行委員長、賀久登仁さんにインタビューを行いました。

―――四谷祭実行委員会にはどれほどの塾生が所属しているのですか?
1~6年生合わせて88人が所属しています。学部は医学部、薬学部、看護医療学部の医療系3学部に所属する塾生によって構成されています。

―――かなり幅広い学部生で構成されているのですね。
そうですね。これは元からではなく、新生四谷祭実行委員会として再編されてからの特徴です。四谷祭実行委員会は新型コロナウイルスによる行事自粛の影響で、6年間の無活動期間が続き、それ以前からの委員会は解散していたのです。今年度、もう一度信濃町キャンパスに学園祭を取り戻し、慶應内の医療系3学部同士の交流をより盛んにしていこうという方針から、薬学部からの塾生も参加するようになりました。
―――第47回四谷祭のテーマは何ですか? 今回のテーマは「シン・四谷祭」です。これには4つの漢字を当てはめたそれぞれの面での四谷祭を表しています。
1つ目は6年間の無開催を経て、2025年に新たな出発を迎える四谷祭としての「新」
2つ目は信濃町キャンパスは勿論のこと、キャンパス周辺にある商店街をも企画に巻き込んでより活気ある四谷祭に進化したという「進」
3つ目は慶應の医療系3学部の交流を深めるという「深」
4つ目は来年度以降にも四谷祭を継承するため、今年度の四谷祭を絶対に成功させる真剣さという「真」
上記の「新」「進」「深」「真」4つの意味を込めたテーマとしてこの「シン四谷祭」を選びました。
―――今回の四谷祭を開催するまでの準備や大変だったことは何ですか? 大変だったことはやはり6年間のブランクが空いた四谷祭を今年度復活させることそのものでしたね。現在、副実行委員長を務めている同医学部6年・堺優真人から「四谷祭を復活させよう」と誘われ、2024年の8月ごろに実行委員会の再生も含めた計画を立てました。
そこから、12月までは他学祭実行委員会に所属していた友人におおまかな企画や予算について教わりつつ、四谷祭復活に必要な局を選定し、協力してくれる仲間を集めました。さらに、4月以降からは信濃町キャンパスとの協議に入り、開催許可が出たのは7月末でした。そこから現在まで商店街の皆様や協賛をしてくださる企業との渉外を行ってきました。
かなり厳しいスケジュールのもと、多くの課題を解決し続けて第47回四谷祭として形にすることができました。
―――四谷祭復活にあたって、重視した伝統と推し進めた革新は何ですか? 重視した伝統はこれまでお世話になった方々への恩返しです。信濃町キャンパスは他キャンパスと比較して小規模であるからこそ、地元の皆様に日頃よりお世話になっております。そんな商店街とともにキャンパスを飛び越え、信濃町全体として活性化するための四谷祭を実現することで恩返しをしていこうということですね。また、今回の四谷祭では実現こそ叶わなかったものの、来年度以降の目標としまして、コロナ禍以前に開催されていたキャンパスに併設されている慶應病院と協力し、入院されていらっしゃる患者様も一緒になって楽しめる企画を復活させていこうと考えており、この姿勢もこれまでの四谷祭に携わった先輩方から引き継いだ伝統の一つです。
上記の伝統とともに、医療系3学部との交流を更に深めるという新たな姿勢も革新として進めてきました。
これは、我が義塾は医療系3学部がある一方で、医学部は信濃町キャンパス、看護医療学部は湘南藤沢キャンパス、薬学部は芝共立キャンパスをメインに大学生活を送るため、意外にもその繋がりを実感する機会は少ないのです。
そのため、単に受験生の方に本塾医療系3学部の魅力に触れてもらうだけでなく、医療系3学部を含め、様々な学部の塾生の皆さんが我々医療系がどんな研究室でどんな研究をしているのか、どこに興味を持ち、将来どのようなキャリアを考えているのか、互いに互いを知り、自分の学部にいるだけでは分からないようなことを知れるような、そんな機会になったら良いな、と思っております。
例えば、バイオベンチャーを立ち上げるケースを考えてみます。研究に精通した医療系3学部の塾生の他にも、プロダクトを作る理工学部の塾生や特許周りの法律や手続きを修めた法学部の塾生、市場から商機を見定める経済学部や商学部の塾生や海外展開をする上で語学に長けた文学部の塾生、そして、それらを俯瞰して繋げるSFCの塾生、と、我が義塾には必要な学部が揃っております。
小さなきっかけかもしれませんが、本学祭が医学部・薬学部・看護医療学部のみならず、様々な学部の繋がりの深化に繋がり、やがて、ここから慶應義塾の新たな社会の先導者が生まれることを祈っております。
―――他キャンパスにおける学園祭と比較して、四谷祭における誇りは何ですか?
やはり慶應病院と協力した企画ができることです。患者の皆様にとっても非日常の体験として一緒に楽しんでいただける学園祭にすることは四谷祭にしかできない誇りであり、重視されてきた伝統でもあります。
また、キャンパスに加えて商店街の飲食店に直接的に四谷祭にご協力していただくことで信濃町全体を盛り上げるものとしての学園祭であることも独自であると思います。
―――今年度の四谷祭における一推しの出し物は何ですか? 2名の先生による講演会です。
1人目は岡安裕正先生です。慶應義塾大学医学部を卒業して在沖縄アメリカ海軍病院に勤務した後、マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京及びニュージャージーオフィスに勤務されていました。現在はWHOにてポリオ・マラリア撲滅や高齢化、健康増進などのテーマを担当されています。岡安先生には臨床から民間企業、そして国際機関へと歩まれてきたキャリア転換の動機や葛藤を経た学び、更に世界の医療現場とこれからの可能性についてお話ししていただきます。
2人目は秋月玲子先生です。本塾医学部を卒業して外科学教室にて外科医として勤務されたのち厚生労働省に医系技官として入省されました。国際保険や診療報酬、がん対策に従事されつつ、米ハーバード公衆衛生大学院にて公衆衛生学修士を取得され、2015年からAMEDロンドン事務局長として国際的な研究支援に従事されてきました。2019年からは外資系製薬会社に勤務されたのち、現在はアムジェン株式会社執行役員を勤められています。秋月先生には行政と産業の両方をご経験された立場から、特に医薬品産業から見た日本の医療についてお話ししていただきます。
お二人のお話は医学部を目指している受験生のみならず、卒業後のキャリアとして製薬会社を検討している薬学部生や外資系、官公庁に興味を持っている他学部の塾生にとっても大変有意義な講演会になると思います。
―――開催にあたっての抱負は何ですか? 信濃町キャンパスには医学部と看護医療学部が集まりますが、看護医療学部以外は短い間しか所属せず、事実上の単科医大の様相が強いように見受けられます。。しかし、実際は上記の通り総合大学であり、それ故の強みを多く持っています。例えば、intuitiveの手術支援ロボット「da Vinci」はスタンフォード大学にて医学部や理工学部が連携することで開発されました。このように総合大学としての強みを更に押し出すため、様々な学部と共同で新たなイノベーションを生み出す先駆けとなるような学園祭にしていきたいと思います。
―――最後に来場される塾生や来訪者の方々へ一言お願いします。
他学部の塾生にとって医学部や信濃町キャンパスはなかなか交流や訪れる機会の少ないかもしれませんが、本学祭を通して新たな繋がりを作り、「全社会の先導者」を目指して参りましょう!
また、来訪者の方々には慶應医学部の魅力は勿論のこと、医療系3学部、ひいては我が義塾の魅力をお伝えできる学園祭になるよう努めてまいります。ぜひご来場ください。
―――ありがとうございました。
イベント詳細
開催日時:
10月4日(土) 11:00~16:00
10月5日(日) 10:00~15:00
開催場所:
慶應義塾大学信濃町キャンパス
四谷祭実行委員会 公式WEBサイト
四谷祭実行委員会 公式Instagram




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