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Vol.13 「體育會本部」

“つながり”を作る。



2019年7月3日、三田部室にて、体育会本部 主幹の西澤勇太さん(以下敬称略)にインタビューをさせていただきました。

―――団体構成や代交代の仕組みを教えてください。


私たちは、2年生以上の各学年16名による計48名で活動しています。4年生が本部全員にヒアリングを行い、その結果をもとに幹部が中心となって代交代を行っています。

―――本部の活動内容を教えてください。


本部では主に体育会公式行事の運営、山荘山中管理、他大学の体育会との交流を行っています。企画系ばかりの仕事だけでなく事務作業も行っています。


―――HP上にありました「Leap局」「セルフケア局」とはどのような活動をしているのでしょうか。


「Leap局」とは、学生や社会人が講師になり体育会生にリーダーシップ教育を行う局です。毎年4年生の学生講師が5名おり、彼らが卒業するとそのまま社会人講師になります。講演は、部活動編と社会人編の2つがあります。部活動編は学生が講師となり、社会人編は社会人の方が講師となります。2か月に1度くらいの頻度で、毎週月曜日は部活動編、毎週土曜日は社会人編という形で各3回くらいのセットで行っています。私も受講したことがあるのですが、「時間管理」「チームマネジメント」「モチベーションの上げ方」など体育会生たちが今後活動する世界で活きてくるような内容が中心になっています。

―――縦のつながりが強い体育会ならではという感じですね。


そうですね。学生が講師になって教育するケースは講義を受ける学生からすると「なぜ同じ学生から教えられるのか」という気持ちになると思うのですが、それでも納得できるくらいの充実した内容になっていますね。


―――「セルフケア局」についてもお聞かせください。

HP更新がまだ進んでいないのですが、今年から「セルフケア局」の活動は中止しています。活動内容は、昨年までは消防士の方に協力していただき救急講習を行っていました。また、体のケアなども講師の方をお呼びして行っていました。ですが、慶應の保険管理センターの行っている事と被っていることや、年に数回しか行えないという点から、活動中止という方針になりました。


―――学生に運営が任されている部門はありますか。

体育会本部の行っていること全般が学生に任されています。第一に体育会各部の主務の方々が中心になって行う事務作業を体育会事務室と協力して業務が円滑に進むように管理、運営していくことが挙げられます。また公式行事の運営や各局の仕事では体育会生のイベント企画、補助金の分配や広報活動など多くのことを行っています。


―――「新入部員宣誓式」とは、どのような内容ですか。


体育会の公式行事の一つとして私たちが会場運営や司会進行などを行い運営しています。新入部員が塾長に対して、「体育会生としてこれから頑張ります」といった趣旨で宣誓します。また体育会の先輩が、新入部員に向けてメッセージを送ったりしています。


―――宣誓式には新入部員全員が集まるのでしょうか。


そうですね。今年の新入部員数は800名弱だったと思います。宣誓式は18時から行われたため、SFCで5限がある人は授業優先という形をとりましたが、基本的に部活より宣誓式優先で、600から700名程の新入部員が参加していました。毎年、三田キャンパスの西校舎ホールで行っています。

―――「山中山荘管理」とは、どのような内容でしょうか。


体育会の部活が山中山荘で合宿を行っています。宿舎として山中山荘を使うのですが、開荘している夏休みは私たちが山荘の管理人をシフト制で行っています。お風呂の入れ替えやシーツ、枕カバーの管理などをしています。


―――体育会本部にも利用しない部活の方がいると思うのですが、本部はほとんどの方がシフトに入るのでしょうか。


そうですね、1人か2人くらいが交代制でシフトに入ってもらっています。部活としては毎年、ラグビーやハンドボール、慶應義塾高等学校の部活など使う部活も限られてはいますが8月いっぱいまでは開荘しています。


―――体育会本部として活動に携わっていくこととして大変なことや課題とかありますか。


体育会生から成り立っているので、部活との両立がやはり大変だと思いますね。本部も活動頻度が多く、運営や企画といった華やかな部分もありますが、大量の事務処理といった地味な一面もありますので、各本部員が部活との時間を調整しながら活動していくという点が大変だと思います。課題の一つは、「各イベントや企画にいかに多くの体育会生を巻き込んでいくか」です。         

特に、メジャースポーツの部活は、部活としてまとまりがあり完結性が高いです。その点は全く問題がないのですが、本部の活動にいかにメジャースポーツを含む多くの部を巻き込んでいけるかが毎年の課題です。私たちの企画に部活を休んでまで来ることに理解がない部活もありますし、練習以上の価値をいかに提供できるかが課題だと思います。

あとは毎年、親子訪問という企画があり各部の練習や試合に年に1回は必ず訪問し、選手にインタビューしたり幹部と対談したりしています。本部と各部との風通しをいかに良くするか、信頼関係を構築していくか、を目的にしています。その点では、私たちが吸収したことを企画を通して各部に還元できるかという所も課題だと思います。私たちに、各部から要望が来たとしても学生だけで解決できるケースもあります。その際に慶應義塾大学体育会代表としての本部が、体育会理事や副理事の方々、三田体育会の方々といった普段私たちの活動を支えて頂いている大人の方々に伝える必要があります。この立場からもいかに学生の意見や要望を反映する組織になっていくか、が課題だと思いますね。

―――今の話して頂いた課題というのは、体育会全体に伝えたい内容でしょうか。


そうですね。本部が企画するイベントにぜひ来ていただきたいです(笑)。

―――体育会以外の学生は、体育会は各部で完結していると思っていたので本部があるとはあまり知らないと思います。そのような学生に向けて本部について知ってほしいことはありますか。


本部というよりは体育会各部の試合にぜひ足を運んでほしいです!最近では慶早戦をいかに集客するかを目的とし活動する団体もあります。様々な部活がありますが、体育会以外の方に応援に来ていただきたいという部活は沢山あります。やはり、慶早戦は慶應と早稲田にとって一大イベントであるため、体育会生と体育会生以外の生徒のつながりを作れる場になるのではないかと思います。体育会生としても慶早戦がそのようなイベントでありたいと思っている人もいるので、ぜひ慶早戦には来ていただきたいですね。

―――7月12日にサッカー部の慶早戦がありますよね。


そうですね、クラシコですね。唯一、お酒を飲みながら観戦できる試合ですね。盛り上がりもすごいです。連盟が厳しいといった理由があるため他には多分ありませんね。


―――ちなみに、サッカー部の慶早戦は年に1回でしょうか。


年1回です。


―――体育会本部への入り方を教えてください。


前提として体育会生のみが入ることができ、1年生の3月に本部採用をしています。選考方法は書類と面接です。毎年2~3倍くらいの倍率です。採用後の2年生はいろんな活動に関わってもらい体育会理事から任命を受け、最終的には2年生の12月の役員会で正式に承認してもらいます。


―――倍率が思ったより高いのですがその理由は何でしょうか。


今の本部の人の後輩が志望したり、部活の偏りをなくすためにも私たちから声をかけることもあります。現状の形だと本部に入るチャンスが1年生の3月しかありませんので、本当に本部に入りたい人たちに情報が伝わるよう広報活動や説明会には力を入れています。体育会の代表として活動するやりがいや体育会全体の運営に魅力を感じる人、マネジメント意欲がある人にとって体育会本部は良いところだと思います。


―――体育会には伝統等が強いイメージがあるのですが、体育会本部にそのようなものはありますか?


そうですね…あるかもしれません(笑)。体育会としては、OBとのつながりが強いというのは一つあると思います。また本部ですと4年生をアダル、3年生をミドル、2年生をヤングと言う変な文化はあります(笑)。代交代の時になると4年生へ慶應カラーのネクタイを贈呈するという伝統もあります。


―――主幹になったきっかけはありますか。


上の先輩方に決めて頂いたので、主幹になったきっかけは答えにくいのですが本部員になったきっかけはあります。私は軟式野球部に所属しています。軟式野球部は私の入学時にちょうど体育会に昇格しました。本部は様々な部活から構成されている中、歴史の浅い軟式野球部員として部活のつながりを作ったり、組織運営について学ぶことで自分の部活に還元したいと思っていました。また、マイナースポーツで知名度の低い軟式野球部のプレゼンスを上げていきたいという気持ちも本部員になりたかった理由の一つですね。


―――そうですよね、では主幹になるにあたっての意気込みなどはありますか。


体育会生とそれ以外の学生のつながりを強くしていきたいと思っています。体育会生と学生がつながれる場を体育会の代表として作っていきたいです。また、大人の方々に生徒の意見を伝え反映させたいと思っています。代々続いている役員会は活動の二の次になるような内容について話し合いそれに対する賛成の拍手をするだけの状態が続いています。参加率も低く無駄ではないかという声も出ています。大人の方々が決定権を持つ場に、学生の意見を反映させてかたちを変えていきたいなとは思っています。


―――新たに挑戦したいことはありますか。


他大の体育会にも関わることが年に数回あります。今年はろ東京六大学、果敢同率の学校の体育会本部が集い意見交換を行いました。その中で1年生へ向けた「フレッシュマンキャンプ」を行っている大学が多く、とてもいい取り組みだなと感じました。体育会新入生が一堂に会して、交流を深めるという内容です。慶應では今まで行ったことがないため、今年から準備して来年できるのならばやってみたいと思っています。1年生の時点で生まれる最初のつながりは非常に大事で4年生まで続くものだと思いますし、ぜひ考えていきたいです。


―――外部で交流してみたい団体はありますか。


三田祭実行委員会ですかね。数年ほど前の三田祭で「体育会王」のような企画がありました。そこでは虫を食べる企画などもありましたね。


―――虫ですか(笑)。


食べられる虫ですよ、多分(笑)。誰が一番すごい体育会生なのかを決めるような企画でした。これは一例ですが、三田祭というイベントの中で体育会が他の学生と交流し、つながりを持つきっかけとしては大きかったと思いますしそんな活動が今後できたらいいなと思っています。


―――最後に塾生に一言お願いします。


普段、体育会について知ることがないとおもうのですが、43部59部門が学業と両立しながら、慶早戦勝利やリーグ戦優勝を目標に練習に励んでいます。体育会というと、取っつきにくいところがあると思いますが体育会と一般学生がもっとつながれるといいなと思っています。いざ試合に行ってみようとなっても、プロじゃないアマチュアのスポーツ観戦に友達や知り合いがいないと行きづらいですよね。どうしても体育会生なら体育会生同士で集まっているという側面もありますし。所属団体関係なく同じ塾生として仲良くしてほしいです(笑)。

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